湘南新宿ラインとは |
湘南新宿ラインのページ > 湘南新宿ラインとは |
●湘南新宿ラインの概要 |
![]() 成立時期としてみると、埼京線大崎駅延長を前に、かつて宇都宮線・高崎線から新宿駅まで直通していた列車を大崎駅方面へ延長、宇都宮線からの列車を横須賀線に、高崎線からの列車を東海道線に直通・相互乗り入れするような形にし、さらに本数も拡大したのがこの湘南新宿ラインであるといえます。 2001年の運行開始当時は新宿駅〜横須賀線、新宿駅〜東海道線の折り返し列車も設定されていましたが、2004年10月のダイヤ改正で新宿駅折り返しはなくなり、全列車が大宮〜大船間を直通するようになり、運転本数も1日64往復となりました。 現在は、宇都宮線〜横須賀線の系統と東海道線〜高崎線の系統がほぼ交互に運行されており、大宮駅〜大船駅間の運行数は日中が概ね毎時4本、朝が毎時6本となっています。全列車がE231系電車で運転されており、2階建てグリーン車2両を連結しています。 なお、この路線を運行する特急列車・急行列車、及び一部の臨時列車は、「湘南新宿ライン経由」とは呼ばれず、東海道本線〜山手線〜東北本線・高崎線経由などと案内され、「湘南新宿ライン」と称される列車は、この路線を運行する普通列車・快速列車・特別快速に限られています。 また、普通列車などであっても、現在地点や走行方向によっては、案内放送等で「湘南新宿ライン」という名称を使わない場合があり、この場合、直通先の路線名・種別で案内されています。 |
●通過路線について |
ここでは共通する大宮駅〜大船駅についてを記します。なお、基本的に湘南新宿ラインは、貨物線の旅客列車化路線となっています。 大宮駅から東北貨物線(戸籍上は東北本線)に入ります。この線は、京浜東北線・宇都宮線・高崎線に並行しています。さいたま新都心駅・浦和駅には、宇都宮線・高崎線の中距離電車は停車しますが、現時点では東北貨物線にホームがないため、湘南新宿ラインは通過となっています。 赤羽駅に停車し、王子駅を通過すると、宇都宮線、高崎線は尾久駅に向かって左に分かれ、湘南新宿ラインは京浜東北線に沿って走っていきます。その後、上中里駅を過ぎてから、湘南新宿ラインは京浜東北線から右に分かれ、中里トンネルを通って、山手線の内側に回り込みます。 ここからは山手貨物線(戸籍上は山手線)と呼ばれる線になります。駒込駅を通過し、池袋駅に入り埼京線と合流します。ここから大崎駅までは、埼京線と同じレールの上を走ることになります。 大崎駅で、埼京線の乗り入れるりんかい線と分かれ、「蛇窪線」と呼ばれる短絡線に入っていきます。この線はいったん横須賀線列車の走る品鶴線線路と立体交差した後に、「蛇窪信号所」で品鶴線と合流します。なおここまでは戸籍上は大崎駅構内となっています。 ここからは一般的には横須賀線と呼ばれる、品鶴線の線路(戸籍上は東海道本線)です。横須賀線方面に向かう列車は西大井から横須賀線同様に停車する一方、東海道線方面に向かう列車は、東海道線中距離電車の停まらない駅には停まりません。 鶴見駅を通過すると、京浜東北線や東海道線と同じ敷地を走ることとなりますが、戸塚駅までは、湘南新宿ラインの列車はどの列車も横須賀線の方の線路を走っていきます。 戸塚駅を出てすぐ東海道線方面に向かう列車は東海道線の線路に移り、大船駅には東海道線方面に向かう列車と横須賀線方面に向かう列車で違う線路に入ることになるのです。 |
●湘南新宿ラインの歴史 |
1984年3月に平日朝ラッシュ時の東北本線(当時は宇都宮線の愛称はまだなかった)・高崎線からの列車の一部を大宮駅から貨物線経由で赤羽駅止まりとして運行を開始しました。![]() 1990年代にはホリデー快速の名称で高崎線・宇都宮線〜横須賀線・東海道本線直通の臨時列車が運行され、1995年、宇都宮線・高崎線夜間に新宿駅発着列車を設定、池袋駅〜新宿駅間は埼京線と同じく、山手貨物線を経由します。 さらに1996年にはホリデー快速「ビュー湘南」・「ビュー鎌倉」の運行が開始され、「ビュー湘南」は新宿駅〜平塚駅、「ビュー鎌倉」は新宿駅〜鎌倉駅間で、共に1日1往復、215系電車により運行されました。 そして2001年9月21日、横須賀線・東海道線から新宿駅を経由して宇都宮線・高崎線へと直通する新ルート開業が発表され、この路線の愛称を「湘南新宿ライン」とすることが決定されます。 ![]() 2002年12月1日には、東京臨海高速鉄道りんかい線の全線開通と、大崎駅の埼京線・りんかい線用ホームの供用開始に伴い、全列車が大崎駅に停車。 夕方〜夜間の増発もあわせて実施されます。また誤乗防止のために、湘南新宿ライナーの朝上り列車が「おはようライナー新宿」夕方下り列車が「ホームライナー小田原」と列車名が変更となりました。 2004年10月16日のダイヤ改正では湘南新宿ラインは大きく進化しました。新たに特別快速が設定されたほか、新宿での折り返しがなくなり、全列車が大船〜大宮間直通運転となりました。加えて、一日38往復から、64往復へと大幅な増発も行われました。また、このダイヤ改正で全列車がE231系に統合され、115系・211系・215系・E217系は、運用から撤退したのです。 |
●湘南新宿ラインの問題点と課題 |
最大の問題として池袋駅〜大崎駅間の線路・ホームを埼京線と共用しているため、長所のみならず短所も埼京線と共通のものがあるのが現状です。 まず1つ目に、湘南新宿ラインは、多くの線区にまたがって運行されているため、関連する他の線区のダイヤが乱れると、遅れを増幅させる原因となりやすいため、埼京線とともに真っ先に運休になってしまいやすい路線となってしまっています。 また、新宿駅と渋谷駅のホームが離れた場所にあって乗り換えにかなりの時間を要します。 ダイヤの面では、池袋〜新宿間の線路容量が埼京線と合わせてほぼ一杯のため、さらなる増発をしにくい状態であることが挙げられます(特に朝のラッシュ時)。 そして今後、2007年度に東京地下鉄13号線の開通に伴い、山手線・埼京線・湘南新宿ラインの池袋〜渋谷間の利用者が13号線に流動する事が予想されます。 さらに2012年度には13号線と東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線が相互直通運転をする予定になっているため、13号線と直通する有楽町線・東武東上線・西武有楽町線、池袋線利用客を中心にみなとみらいエリアへの利用が今まで以上に流動する事も予想されます。 そのほかにも様々な問題点・課題があります。たとえば、まだ誕生したばかりの比較的新しい路線であるため、現在はまだ同じ湘南新宿ラインでも直通先の路線への誤った乗車がしばしば見られるといった点や、あくまでも運転系統上の名称であるため、車内や駅での案内がやや曖昧であるといったことがあります。 将来的には東海道本線東京〜東北本線(宇都宮線)上野間の東北縦貫線が完成する予定で、大宮方面〜大船方面間を直通する中距離電車が2種類できることになり、案内や利用時などに更なる混乱が予想されます。 また、新宿駅など東京都内をはじめとした各駅に「小金井」行(宇都宮線直通)の列車が来ることについて、新宿駅を通る中央本線の武蔵小金井駅(東京ではこちらの小金井が有名)へ行くと思った乗客が誤乗してしまう恐れがあります。 |